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第31回(20年5月)
ヨメのギムならぬオットのギム? 「……なんですか?」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p20) ゲートルを解いたりまた巻いたり、円太郎が気掛かりで心ここにあらずなのかと思いきや、脈絡もなく自分に迫ってくる周作の行動に戸惑うすずは、... -
第30回(20年5月)
円太郎が死んだと思わせて 鎮守府の年表であると同時に円太郎の年表 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p11) 明治22で背負われているのが円太郎、母親といるのはおそらく円太郎の姉、周作の伯母。 (宮古(明治32)に手を振る姉弟の、弟の... -
第29回(20年4月)
当たり前のことですが 中段左のコマで、すずは炭をかまどから出して消火している こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p4) 直接かまどに水をかけたりはしていない。 p3)上段で「火の始末」として鉄瓶で水を注いでいるのはかまどではなく火鉢... -
第28回(20年4月)
何故か嫁の役割を免除されているすず すずが肩から掛けているのはカバンではなく座布団 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p131) 荷物ではないので、身軽に桜の木に登れた。 「お重持たせんで 良かったわーー」 こうの史代(2008)『この... -
第27回(20年3月)
弁当も草履も作る 服も下駄も、晴美のポーズに合わせてある こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p123) 昭和の子供向け雑誌の付録では、下記のような紙製の着せ替え人形をよく見かけたが、それを模しているからだ。 pilllpat (agence eureka... -
第26回(20年3月)
呉は軍都 中央のコマの艦影、一番下は空母天城、下から2番目は戦艦伊勢だろうか こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p116) 呉が軍港で、戦争の担い手であったことを描き忘れてはいない。 左下のコマで、径子とすれ違うのは、円太郎と同じく... -
第25回(20年2月)
テルという名前の由来が示すもの 童謡詩人 金子みすゞ 大正末期から昭和初期にかけて活動した童謡詩人金子みすゞ。 彼女の本名はテル。 金子みすゞの出身地仙崎は長門市(「第9回(19年5月)」のサンの回想レイヤーで、戦艦長門の進水式を祝う幼少期の径子... -
第24回(20年2月)
仕掛けに気づかせるための仕掛け 「椿にメジロ」はすずの筆入れを思い起こさせる こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p99) 「梅にメジロ」の仕掛けに気づかせるための仕掛け(「第3回(19年2月)」も参照されたし)。 いろいろな意味で信じ... -
第23回(20年正月)
「オリジナル」について 「愛國いろはかるた」の絵柄は様々なものが存在しているようで、その中からとりあえず絵柄が(この「第23回(20年正月)」で描かれているものと)ほぼ一致するものも含まれるセット(日本玩具統制協會が1943(昭和18)年12月10日に... -
第22回(19年12月)
息の合う二人 左上のコマですずが鉈を持ってくる こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p84) 水原哲が迫ってきたときに、本当に嫌ならばこの鉈を構えることもできたが、すずはそうはしない。 そして、すずが鉈を持ち込んだことで、「水原哲の...