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第13回(19年8月)
暑さで鈍る思考 左下の2コマで晴美に気づかず躓く こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p11) 暑さで思考が鈍っている。砂糖壺を水瓶に浮かべる(迄台詞が無い描写も、すずの認識力の低下を反映している。)という、前回「第12回(19年7月)... -
第12回(19年7月)
黒村家(あるいは作者の思い遣り) 扉ページの径子の隣の柱に「キンヤ」「ケイコ」という文字 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p3) 初めて明らかにされる径子の夫の名前。 「キンヤ」の名前の由来は、すずが晴美に作ってあげた笹柄の巾... -
第11回(19年7月)
柱の役割 「ああ違う それそれ」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p138) すぐ下の「ぐゑ〜」のコマでは柱にいくつもの刻みが描かれており、周作が意識的に、黒村家の背比べが刻まれた柱を選んだ事が判る。 「ぐゑ〜」 こうの史代(2008... -
第10回(19年6月)
疑問符で「疑問を持てよ」と読者を促す 中段のコマの発芽した「こまつな」(小松菜) こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p132) 発芽した疑問(符)。 「あんたー」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p133) すずは(読者... -
第9回(19年5月)
まずは判りやすいほうの暗示から 「八百長商店」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p124) 「八百長」は真剣に戦っているふりをしながら示し合わせたとおりに勝負をつけるいかさま勝負を指す言葉。 この商店の名前が日の丸の旗とともに描... -
第8回(19年5月)
すずの手際の良さ 「すぎな は軽くゆで 水に晒して刻む」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p114) 甘藷を蒸した鍋とお湯を再利用している。この後の手順も火口を順序良く使うなど、限られた時間と燃料を有効利用する、すずの手際の良さを... -
第7回(19年4月)
硯と墨と筆と 上段のコマ、すずは(縁側ではなく)板の間(書斎)にいて、晴美は仏壇に駆け寄っている こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p105) 晴美だけが「第5回(19年3月)」ですずが径子に追い出されそうになっていると正確に認識して... -
第6回(19年3月)
家族の関係に、何かが秘められている? 「うちは すみとお母さんが トラ年じゃけえ 人気があるのう」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p97) 寅年ということは、1944(昭和19)年において、すみ18歳、キセノ42歳。これは後ほど「第20回(1... -
第5回(19年3月)
径子の企み 「あとその お米は おみやげと ちがう」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p90) 一定期間滞在する意図で径子がやって来た事が示されている。何の為の滞在なのかは「第10回(19年6月)」で明かされる仕掛け。 「すずさん おつ... -
第4回(19年2月)
隣組 「『隣組』昭和十五年」 こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p81) 何故唐突に当時の流行歌がここに登場するのか。 それは、同時代に歌謡曲の作詞家として活躍したある人物が、このページの冒頭にも描かれている、すずの名札に書いてあ...